:2017/04/26  :2019/06/15

猫にワクチンは必要か?費用や種類や副作用が起きた時の対応は?

猫が大好きなあなたは愛猫の健康管理には十分注意している事と思います。そんな猫の健康管理の一つにワクチンの接種があります。ワクチンは定期的に掛かりつけの動物病院で接種していると思いますが、そもそも猫にワクチンの接種は必要なのでしょうか?ワクチンの効果も気になりますが、もしワクチンを接種しなかったらどんな懸念があるのかも気になります。

また、ワクチンの種類や接種回数なども気になります。完全室内飼いの猫もそうでない猫もワクチンの接種は必要なのでしょうか?今日はそんなワクチンに関していろいろとお話したいと思います。

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ワクチンとは?

そもそも「ワクチン」とは何でしょうか。ワクチンは感染症を予防するために行う注射の薬液のことをいいます。つまり「予防接種につかう薬」ということですね。予防接種というくらいなので病気を防ぐための薬ですが、その仕組みをご存知でしょうか。

人間に限らず、生き物は細菌やウイルスに感染することによって「体内でその病原体に対抗できる力=抗体」を作ることができると言われています。この仕組みを利用したのが「ワクチン」なんです。

感染する確率の高い病気の原因である病原体の毒性(激しい反応=高熱、嘔吐、下痢、脳や筋肉を破壊するという攻撃的な毒性)を弱めたり無毒化したものを利用します。

そのワクチンを接種することで、実際にその病気にかからなくても体内に免疫ができるのです。この仕組みを利用すれば仮に体内に侵入したとしても発症を防御(無症状で完治)したり、たとえ発症したとしても免疫がついていることから軽症で完治に向かうことができるんですよ。

猫のワクチン、完全室内飼いでも必要なの?

完全室内飼いならワクチンはいらないのでしょうか。このことは獣医師さんによっても見解が異なるところです。

ですが確実に言えることは「室内飼いだからといって感染症にかからないわけではない」ということ。お外に一歩も出たことがない猫でも、感染症にはかかるんです。

その理由は

  • 飼い主やお客様が衣服や靴などに伝染病の菌をつけて帰ってくる
  • 母親の胎内で感染、母乳で感染している(発症はしていないけれど菌は保有している状態)
  • ベランダに出た時や、窓辺でくつろいでいた時に風で運ばれてきた菌に感染する

など、当たり前の日常生活でいつでも感染するリスクがあるためです。

ワクチンは病気の予防の意味もありますが、それ以上に「病気にかかった時に比較的軽くて済む」ということも重要な効果になりますので、完全室内飼いの猫にも必要といえます。

こんなに怖い!主な猫の感染症

ではなぜこんなに予防!予防!とうるさく言うかというと、猫の感染症の怖さゆえ、です。感染すると重症化したり、時に命を落とすものもあるので注意が必要です。予防接種で予防できる主な感染症を見ていきましょう。

【猫白血病ウイルス感染症】

  • 原因……猫白血病ウイルス(FeLV)に感染することで発症する病気です。感染後、約1か月かけて口やのどのリンパ組織から血液へ、そこから体内のリンパ組織をとおり最終的には骨髄に侵入します。
  • 症状……食欲不振、体重減少、貧血、発熱、口内炎など(急性期)
  • 注意……免疫力が十分ある猫ならばリンパ組織に到達する前に自力で排除できますが、仔猫や高齢猫の場合には骨髄への侵入を体内で常にウイルスが作られる状態になってしまいます。そのことが原因で二次的に発症した病気(悪性リンパ腫など)によって大半は3年以内に死に至ります。

生後間もなく感染してしまった場合には致死率ほぼ100%、~1か月半では50%、4か月を超えれば90%治癒するといわれています。

【猫カリシウイルス感染症】

  • 原因……猫カリシウイルス(FCV)に感染することで発症する病気です。発生頻度がとても高く「猫の風邪」「猫のインフルエンザ」などといわれています。感染力が非常に強いことでも有名です。
  • 症状……口内炎、舌炎、高熱、くしゃみ、鼻水目の周りが赤くなる、食欲不振など
  • 注意……ウイルス感染なので、特効薬がなく対処療法が治療の中心になります。

全身状態が悪く、とてもぐったりとするので不安が募りますが、猫の自己治癒力に任せるしかないのが辛いところです。

二次感染の予防や細菌に対して抗生物質の投与をします。約2週間ほどで回復しますが脱水に注意が必要です。

【猫クラミジア感染症】

  • 原因……猫クラミジアという細菌の一種が原因となり、結膜炎、鼻炎、呼吸器症状などを引き起こします。ごく少数ですが、猫から火地への感染も報告されている病気です。
  • 症状……結膜炎(目ヤニあり)、気管支炎、肺炎、咳、くしゃみ、鼻水など
  • 注意……通常は硬めの炎症から始まります。べたつく目やにが特徴で症状が長引き慢性化しやすいのが怖いところです。

抵抗力の弱い26か月までの仔猫がかかりやすいといわれています。有効な抗生物質が開発されているので、23週間しっかりと投与し体内から消滅させることが大切です。

【猫ウイルス性鼻気管炎】

  • 原因……猫ヘルペスウイルスⅠ型(FHV-1)が原因となる呼吸器感染症のことです。「猫インフルエンザ」や「猫コリーザ」とも呼ばれており猫カリシウイルス感染症と同時に罹ってしまった場合には「ウイルス性呼吸器感染症」といわれることもあります。
  • 症状……食欲不振、結膜炎、鼻水、くしゃみ、鼻水、咳、発熱、涙が増えるなど
  • 注意……ウイルス根絶の薬はないので、出てきた症状に対する治療でしのぐのが現状です。母猫がウイルスを持っていた場合グルーミングを通して仔猫へ感染してしまうので親子兄弟間で感染すると急速に蔓延してしまいます。

初感染の場合は目の症状が主ですが、再発すると鼻や気管に炎症が広がり、症状が重くなります。

【猫汎(はん)白血球減少症】

  • 原因……パルボウイルスの一種である猫汎白血球減少症ウイルスが原因となる病気です。別名「猫ジステンバー」「猫伝染性腸炎」とも呼ばれていて、致死率が非常に高いのが特徴です。伝染力も高いためとても怖い病気です。
  • 症状……心筋炎、心不全(ウイルスが心筋についた場合)、水溶性の血便、全身の機能不全など
  • 注意……特効薬がないため、対処療法での治療になりますが、特に仔猫が感染した場合の予後は非常に悪いです。214日程度の潜伏期間のあと、突然発症し急激に悪化するので注意が必要です。

ワクチンの種類は?3種と5種の違いについて!

動物病院で摂取できるワクチンには3種と5種があります。5種は上記5つの病気に対する予防ができます。

3種は上記のうちいわゆる猫風邪といわれる「猫カリシウイルス感染症」「猫ウイルス性鼻気管炎」「猫汎白血球減少症」の3つに対して予防ができます。

3種と5種、どちらを選べばいいかというと一般的には外に出す予定のない完全室内飼いの猫なら3種、アクティブに外へ出る習慣がある猫なら5種といわれています。外へ出るということは、ほかの猫との接触も多くなるので感染症のリスクが高まるからです。

獣医さんによっては外で遊ぶ猫でも3種で十分だ、という見解をする人もいますのでまずはかかりつけの先生にしっかりと話を聞き、納得したうえで選ぶようにしましょう。

ワクチンの費用は?

費用ですが

  • 3種混合→3,5005,000
  • 5種混合→6,0007,500

が一般的です。心配な場合は事前に電話で問い合わせをしたら教えてくれるところや、HPに記載されていることもあるので確認してみてくださいね。

また接種時期ですが、仔猫が初めて受ける場合は24か月ごろと、その1か月後の2回接種が好ましいとされています。免疫力のない仔猫により確実に、しっかりと抗体をつけてあげるのが狙いです。

ワクチンの頻度は?

日本では一般的にはワクチンの効果は大体13か月といわれています。つまり1年で効果が切れると言われています。そのため毎年接種する方がより病気の予防に効果があると考える獣医さんが多いようです。

ただしこれも獣医さんによって大きく意見が分かれるので、定期検診やノミ、ダニの予防に訪れた際に一度相談してみてはいかがでしょうか。因みに欧米ではワクチンの接種は3年毎です。

 猫のワクチンは毎年必要か?欧米ではなぜ3年ごとなの?その理由とは?

ワクチン接種後に元気がない時は?

先ほどから「獣医さんによって意見が分かれる」とお伝えしましたが、その大きな要因が接種後の体調不良、いわゆる副作用によるものです。

人間も同じですが、弱毒化したといってもわざとウイルスや菌を体内に入れるので、時に抗体ができすぎて暴発したり、アレルギー反応(アナフィラキシーショック)を起こすこともゼロではありません。

具体的には

【接種後30分以内の反応の副作用】

  • アレルギー反応(アナフィラキシーショック)

血圧の低下、ショック状態、けいれんなど激しい症状が現れます。すぐに獣医さんに連絡しましょう。

【接種後23時間以内の副作用】

  • 顔がむくむ
  • 蕁麻疹が出て体をひどくかゆがる

この場合もすぐに獣医さんに連絡し指示を仰ぎましょう。

【接種後数日間の副作用】

  • 何となく元気が出ない
  • 食欲が落ちる
  • 下痢や嘔吐をする
  • 接種した場所が腫れる

激しい反応ではなく、次第に回復するなら一時的なものなので様子を見ればよいでしょう。長く続く場合は、獣医さんに相談してみてくださいね。

突然の副作用に備えて、午前中の早い時間帯に接種してもらい、院内や車で30分ほど様子を見てから帰宅すれば安心ですし、万が一急変した場合でも診察時間内でしたら素早い対処をしてもらえます。ワクチン接種は「平日午前中」がおすすめです。

まとめ

愛する猫と長く一緒に生活するためには、やはり病気の予防は大切です。費用や効果、副作用など心配なこともたくさんありますが、いざ病気にかかって辛そうな愛猫を見て「ワクチン接種しておけばよかった……」と後悔しないよう、かかりつけの獣医さんとよく相談してみてください。

受ける、受けないを愛猫は選べません。愛猫の生活スタイルに合わせた最善の方法を考えてあげたいものですね。


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